日本最大級の電子チラシポータルサイト「Shufoo!」のシステム開発を担当しました。本サイトは2001年のオープン以来、弊社が中心となり設計、開発、運用を一貫して担当しています。「Shufoo!」は、全国11万点以上の店舗のチラシ情報を簡単に掲載できる仕組みを提供し、2020年4月時点で掲載店舗数No.1のお買い物チラシサービスとして広く利用されています。

当時はクラウドサービスが一般的ではなかったため、オンプレミス環境での高負荷対応を実現しました。主要な技術スタックとして、Apatch、Weblogic、Oracleを採用し、堅牢なサーバー構成を構築しました。また、テレビ広告やキャンペーン時に発生する一時的なアクセス集中に対応するため、負荷分散を含むシステムチューニングを徹底的に行いました。

データベースの分離設計や効率的なキャッシュ管理により、月間約860万人という大規模なユーザー数に対応する高い信頼性とパフォーマンスを実現しました。このオンプレミス基盤は、開発当時の技術トレンドと実際の運用ニーズを融合させたものでした。

「Shufoo!」では、ユーザーエンゲージメントを向上させるため、会員向けのポイントサービスを導入しました。このサービスでは、会員がチラシの閲覧や特定の条件を満たすことでポイントを獲得でき、貯まったポイントを商品や特典と交換することが可能です。この仕組みはユーザーの継続利用を促進し、サービス全体の利用率向上に寄与しました。

本プロジェクトでは、スマートフォンアプリに先駆けて携帯端末（いわゆるガラケー）向けのWebサイトを構築しました。対応端末はDocomo、Softbank、AUの主要3キャリアの公式サイトに対応しており、幅広いユーザー層へのリーチを可能にしました。

ガラケー向けのサイトは、デバイス特性に最適化した軽量なデザインと、簡単な操作でチラシ情報を閲覧できるユーザー体験を提供しました。特に、限られた画面サイズや通信速度を考慮した設計は、技術的に挑戦的な部分でもありましたが、多くのユーザーにとって高い利便性を提供する結果を生み出しました。（現在はサービス終了）

技術の進化に合わせ、Shufoo!は一時期テレビ向けアプリの提供にも対応していました。このアプリでは、大画面でチラシ情報を閲覧できる機能を提供し、家族がリビングでチラシを共有して利用できる新しい体験を創出しました。テレビのインタラクティブな操作性を活かしたこの試みは、生活スタイルに根差したサービスの一環として注目を集めました（現在はサービス終了）。

訪日外国人の増加に対応するため、「Shufoo!」ではインバウンド向けサイトを開発しました。このサイトは英語や中国語（簡体字、繁体字）など多言語に対応し、訪日観光客が現地で利用可能な店舗情報やチラシを手軽に検索できる環境を提供しました。また、地図を利用したルート検索機能も実装し、観光と買い物をスムーズに連携させる利便性を提供しました。このプロジェクトは、日本の小売業界における新しい顧客層の開拓に貢献しました（現在はサービス終了）。